中村研での卒業研究を志望する学部3年の皆さんへ(終了)
Q & A
Q:中村研では,卒業研究で具体的に何ができるのですか?
A:中村研で何ができるかは,所属した皆さんが何をしたいかに非常に依存します。ソフトウェアを作りたい,電子回路を作ってみたい,光学装置を考えてみたい,等々,毎年様々ですが,その時々の研究室の研究テーマと結びつけて,なるべく希望に沿った面白いテーマを選んでいます。
ただ,何をやる場合でもそうですが,予算が最初から十分にあることはありません。新しいことを始めるには,安上がりなやり方でゼロから準備が必要な場合が普通です。これは,高価な装置が整った状況で研究を行うことと比べるとかなり大変ですが,むしろ反対に皆さん方にはとても貴重な体験になります。考えてみてください。新しい分野を切り拓くパイオニア的な研究をしようと思ったら,お膳立ては無く実験装置は自分たちで開発するものなのです。(小柴先生が新しい巨大な光電子増倍管を開発した例を思い出してください。)そういう経験を積むことは,今後,社会でたくましく生きて世間をリードしていくためには必要不可欠な能力であり,とても楽しいことです。是非,中村研の研究開発の現場で身をもって学んで欲しいと常に願っています。
Q:中村研で卒業研究を行うと,どの程度の力が付きますか?
A:普通は,
学士 → 与えられた研究課題について,多くの手助けがあって解決できる
修士 → 与えられた研究課題について,ほぼ自力で解決できる
博士 → 研究テーマを自分で見つけて,自力で解決できる
と考えられています。将来に独り立ちしていくためには,研究テーマを自分で見つけることのできる能力が重要ですが,4年生の1年だけで身に付けるのは殆ど困難でしょう。
研究の面白さを感じるのも,4年時だけでは難しいかもしれません。大学院に進学して1〜2年した頃に,ようやく面白くなって来て自信も付いてくる場合も多いようです。ですから,中村研に卒研で配属されたなら,是非,少なくとも院に進学して研究の面白さを味わって欲しいと思います。
Q:中村研は面白いですか?大変ですか?
A:中村研は面白いと思いますが,楽ではないでしょう。自分から率先して動かなければ研究が進みません。誰かについていれば大丈夫ということではないのです。でも,その分,自分で研究課題に取り組んでいるという実感は確かにあると思います。学生の連帯感は強いようですので,研究以外の日常生活でも研究室の居心地は比較的良いのではないかと思います。
Q:中村研は研究予算は多いですか?
A:多い年もありますが,一般に中村研独自の予算は必ずしも多くない年が多いと思います。しかし,そこは工夫とアイデア次第で,安上がりでも面白いテーマを見つけて実施しています。
実際,液体キセノンやX線CCD,GPU等に関する現在の研究は,そのテーマの重要性をアピールでき,他機関から多くの予算的な支援も戴いて,学生の皆さんが研究の中心となって活躍しています。これらのテーマのように,学問の本流に密接に関係した分野で,数人で出来る程度の研究を行うことは本当に楽しく,学問には本来相応しくない勝ち負けとも縁が薄いものです。参加する学生の皆さんにも手に負える範囲で良い経験になり,極めて教育的でもあると考えています。大きな組織のぎすぎすした人間関係の中で小さなひとつの歯車になってしまうことを避け,小さめの組織の良いチームワークの中で中心的な役割を担うことを目指しています。
Q:中村研に志望を出すか悩んでいるのですが...
A:迷いがあれば,一度,相談にお出でください。中村や学生が対応します。じゅうぶんに事前に相談されることをお勧めします。